葱とは

 

葱の歴史と種類

千住群
明治初年には、金町村(現東京葛飾区)の特産として、白根の長い根深ネギとして栽培されていました。当初は、分けつ性のあるものが一本ネギに改良され、大正に入ってからは、赤柄・黒柄・合柄に分かれました。例・・・深谷葱

九条群
1,000年前から栽培され、明治に至るまで京都府紀伊郡東九条村(現京都市下京区)を中心に栽培されていました。元来分けつ性の葉ネギで、白根の部分は短いものです。白がほとんど無く、細い葱

加賀群
寒地系で冬季休眠するので、越年ネギとして利用されてきました。岩槻は分けつ性が強く、下仁田は非分けつ性で、軟白部は極めて短く太いネギです

 

さらに

長(白)ネギは、「赤柄(あかがら)」「合柄(あいがら)」「合黒(あいぐろ)」「黒柄(くろがら)」の4つの系統に大きく分類されます。赤柄系は分けつ性が強い系統で、春まきして冬期年内どりしますが、現在はほとんど栽培されていません。黒柄系は、分けつせず一般的に暑さに強く高温期に葉鞘の伸張性に優れ、秋まきし翌年の夏秋に収穫します。葉と葉の合わせ目がほぼ横に入り節間が短く、この部分の締まりがよいのが特長です。環境に対する適応性は広く、春まきして秋冬に収穫することもできます。

赤柄と黒柄の中間の性質を示すのが合柄と合黒です。これらもほぼ分けつしないネギで一般的に寒さに強く低温期に葉鞘の伸長性に優れ、春まきして秋から年明けの厳冬期かけて収穫します。いずれも葉と葉の合わせ目が着物の襟のように斜めになっていて、節間が黒柄よりも長く、葉と葉の合わせ目の締りがやや緩い系統です。